おどろきの中国/橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司


おどろきの中国 (講談社現代新書)おどろきの中国 (講談社現代新書)

橋爪 大三郎、大澤 真幸 他

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【レビュー】
私自身、前々から、中国人は見た目は似ているが、それに惑わされても甘えてもいけないと感じていました。
同胞、同じアジア人という捉え方をするから良くも悪くも誤解するのであり、例えばイスラム国家みたく、日本には理解しかねる発想があると考え、対応すれば、多少すっきりするのでは、という。

上記は幼稚というか直感だけの言い分ですが、本作は、中国の独自性を、その経験則とロジックで解き明かそうとするものです。

文化大革命とは何ぞや、日本との関係性、そもそも、西洋的な意味での国家なのか。

中国史にはうといこともあって、半分も咀嚼出来てはおりませんが、なかなか面白い視点を与えてくれました。
特に、日中戦争時における日本への裏切られた感、鄧小平がなぜ改革に踏み切れたか等は、非常に面白かったです。
緊張感が続く今こそ、丸ごと信じるのはちょっとどうかと思いますが、諸々の視点を得るためには必読であります。


【結論】
★4.5。
まあ、これを読んで、「橋本さんは中国より」とか捉えちゃうとややこしくなる。
中国へのシンパシーを図るモノではなく、視点を広げるための書籍で、その意味では重要作だと思います。
ただ、宮台さん、本書では存在感薄し。
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僕たちの前途/古市憲寿


僕たちの前途僕たちの前途

古市 憲寿

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【レビュー】
大分前に読んだのですが、レビューが遅れました。

今回は起業を主なテーマにして論じてあり,大分身近というか、取っ付きやすい内容になっております。
故に、なのか、前作「絶望の国の幸福な若者たち」に比べると、若干論考が浅いかな、という感じがします。

第一に、構成や書き方に問題があって、自身の会社の話をしすぎているため、ステマ的な臭いがしてしまっています。
あわせて、著者の友人の話も多すぎる感があり、身内話に付き合わされている感が否めません。

内容としては、日本の戦後の成長と起業等のデータや、専業主婦という形態に関する論もあって、それなりに感心する部分もあったのに、非常にもったいないです。

著者は、せっかく、国の成長とかに意味を見いださない若者、という、斜に構えた観点・立ち位置を開拓してきたのだから、もう少し練って本を出して欲しかったと思います。


【結論】
★2.5。
次作に期待。まだ若いし、視点の取り方は貴重だと思うので、頑張って欲しいです。

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歌舞伎町/権徹


歌舞伎町歌舞伎町

権 徹

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【レビュー】
歌舞伎町モノ、というか繁華街モノは結構好きで、本作も、パラパラ立ち読みしたら、なかなか面白げな写真があったので購入しました。

で、写真は確かに面白かったのです。
時期的には割と最近、浄化作戦前後にわたり、歌舞伎町が良くも悪くも変わっていく様が見て取れます。

ただ、この作者は在日なのですが、時折、差別の話、しかも、結構一方的なコメントを付けて盛り込んでくるのですね。
ハナからそういう主題の書籍であれば全然いいのですが、繁華街モノは、街の有り様を言葉少なげに切り取る、というのが私の意見でして、どうしても鼻につくわけです。

これは、勿体ない。
それはそれ、これはこれ、にすべきであります。


【レビュー】
★2。
コリアン関係のものを差し引いて、別の、鶴橋とかの取材と絡めれば、それはそれで見応えがありそうなのですが。

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社会を変えるには/小熊英二


社会を変えるには (講談社現代新書)社会を変えるには (講談社現代新書)

小熊 英二

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【レビュー】
私は、社会学(やその周辺の学問)にはさほど詳しくはなく、それが前提のレビューです。
多分、そういった人を読者層に想定しているのでしょうし。

まず、第一印象は、やっぱり厚すぎ。
確かに、これまでのこの人の著作を見ると、相当コンパクトにまとめたつもりなのでしょう。
けど、新書で500ページはさすがに長いし、あまり、文章に起伏を持たせることがうまくない人なので、読み切るには結構体力がいります。

他方、内容面ですが、スポットでは、色々と考えるきっかけになる記述はありました。
第1章の日本社会の歴史、第2章・第3章の全共闘を中心とした運動史、第7章の自発性と対話といったあたりの記述は、何がしかの思索のヒントにはなると思います。
私自身もまだ咀嚼出来ていないのですが、決定への参加のプロセスと納得、といったあたりは、考えさせられるものがありました。

この人は、よく批判されるように、地域社会やNPO的なモノを妄信しているというか、相当変わった左巻きなところがあり、丸呑みするのはいかがなものかと思います。
ただ、それで忌避するのもちょっと極端で、鋭いところは散見される、なかなかの本だと思います。


【結論】
★3.5。
今更ではありますが、文章力はもう少し何とかしていただきたい。
うまく編集すれば、350ページくらいにはなったのではないでしょうか。

見た目も相当ナニなのですが、まあ、社会学なので、多少極端な方が面白いと、私は好意的に見ております。

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徹底討論!ニッポンのジレンマ/NHK Eテレ


徹底討論!ニッポンのジレンマ徹底討論!ニッポンのジレンマ

NHKEテレ「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」制作班

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【レビュー】
2012年元旦に放映したという番組の書籍版。
メンツがなかなかに豪華で、購入してしまいました。

内容は多岐にわたり、要は雇用、ジェンダー、格差、3.11等日本の抱える問題についててんこ盛り。
というと聞こえはいいのですが、ボリュームもそれほど多くなく、散漫になってしまったのが正直なところでしょうか。
1人1人あたりの発言量が少なすぎて、各人の色が見えなかったのも残念です。
渋谷知美の空気を読まない発言とか、もう少し読んでみたかったです。

詳細は各参加者の個別の著書で、ということになりますかね。
そういう意味でのイントロダクション的役割はあると思います。


【結論】
★3。
斜め読みでいいかと。逆に言うと、斜め読みする価値はあると思います。
あと、荻上チキはやっぱり無難というか、場の回しが向いていますね。将来の田原総一郎?

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踊ってはいけない国、日本/磯部涼


踊ってはいけない国、日本 ---風営法問題と過剰規制される社会踊ってはいけない国、日本 ---風営法問題と過剰規制される社会

磯部 涼

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【レビュー】
タイトルのとおり、クラブに関する風営法問題についての書籍です。

特徴的なのは、タイムリーさを優先したのか、意図的なモノも含めてかなり雑多な体裁となっており、方向性も統一されておらず、評者もごちゃっとしたメンバー。

ついでに、フォントやスタイルもバラバラであり、ファンジンっぽいところもあります。
それが、速報性を狙った感じで若干鼻につくのですが、内容としては割とコアな人権問題であることも確かであり、書籍としての意義は小さくないと思います。

実は、こういう問題は、規制側の論客が表に出てこないところがキモだったりするので、今後は、そちら側にも切り込んで取材、討論をしてもらえればもっと面白いかな、と思います。


【結論】
★3.5。
とか言って点数が少し低いのは,自分がクラブに行かず、どうしてもピンと来ない部分があるからだったりします。
昼キャバもある時代、クラブもランチ営業とかしてくれればいいのに、と思っています。

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新東京いい店やれる店/ホイチョイ・プロダクション


新東京いい店やれる店新東京いい店やれる店

ホイチョイ・プロダクションズ

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【レビュー】
物事、何かと時代や世代論に落とし込むことは大バカだと思うのですが、「ホイチョイ」というモノに対する立ち位置は、世代によって相当変わるのではないか、と思われます。

自分は、1971年生まれですが、中学生から高校生だった80年代半ば以降、そこかしこに「ホイチョイ」は現れてきました。
私個人は、「胡散臭い。ただ、うまそうな店や雰囲気のある店等、チャラ目の情報は確かに多く持っている。いけ好かない同期のテレビマンと同じ。」という感覚で、これは結構最大公約数的なモノではないでしょうか。

で、そんなホイチョイの最新作。
まだ活動していること自体、あまりきちんと把握してなかったのですが、このブレなさ加減は本当にご立派です。

内容は、予想通りに業界的に良さげな店、のオンパレード。
何か、バブル前夜の高揚していた雰囲気を思い出させてくれます。

虚像といえば虚像なんでしょうが、こういうので盛り上がれれば、案外景気回復になるかも、とすら思ってしまいます。


【結論】
★4。
そこらの啓発本よりよっぽど元気になります。
あと、何気に相当文章がうまいことも、ポイント高し、です。

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積木くずし最終章/穂積隆信


積木くずし 最終章積木くずし 最終章

穂積 隆信

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【レビュー】
「あの」積木くずしの作者、穂積隆信の最新作、というか、おそらくは遺作。

「積木くずし」といってすぐ通じるのは40歳以上くらいでしょうか。
娘の穂積由香里のグレる様とそこからの復活を描いた作品で、当時300万部を売ったという、超ベストセラー。
自分はぎりぎりリアルタイムでしたが、まさに、国民的読み物と化していた記憶です。

で、何となく、「積木くずし」のヒットで家族がまた崩れたとか、穂積由香里がシャブでパクられたり、若くして死んだりといった後追いニュースは見聞きしており、「家族を売り物にするもんじゃないな」とかは思っていたのですが。

本作は、80歳を超えた穂積隆信が、最後の告白的な感じで作られたものですが、内容自体は、まあ、そこそこ面白い、といった程度でした。
穂積由香里の出生の秘密にしても、結論は良く分かりませんし、妻の愛人にしても、詳細なところは曖昧なままで、伏せてある部分も多くありそうです。

ただ、何と言うか、凄みがあるのですね。
死に際ということもあるでしょうし、明らかに自分の得にはならない記載も多い。
何より、本当に、「積木くずし」に翻弄された人生だったのだな、と、読み手に迫ってくる筆致で、普通の芸能本とは一線を画していると思います。

なので、定価を出すかというと微妙ですが、読んでも損はないかと思います。


【結論】
★3.5。
やはり、ちょっと高いので。
しかし、積木くずしから30年、と聞くと、がっくりくるものがあります。

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オードリー物語 100枚の写真に秘められた伝説


オードリー物語 100枚の写真に秘められた伝説オードリー物語 100枚の写真に秘められた伝説

エレン・フォンタナ、ショーン・ヘプバーン・ファラー 他

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【レビュー】
個人的には、オードリーにはあまりいい感情を持っていませんでした。

確かにきれいですが、なんぼなんでも、神聖化し過ぎではないか。
オードリー本人というよりも、むしろ、それをとりまく映画界の対応に不信感を持っていた、という方が正確かもしれません。

ところが、本屋で本作品を見かけて、表紙のあまりの美しさにふらふらと買ってしまったのが本作です。

で、中の写真も、度肝を抜くほど美しかった。
子どもたちが編集に関わっているようで、プライベートに近い写真も多いのですが、もう、参りましたという他ない。

私が間違ってました、と言わざるを得ない美しさで、もはや別の生き物。
観賞用として、これほど完璧な動物はいないのではないでしょうか。

オードリーというブランドに今更感はありますが、それは偏見。
購入して損はない写真集であります。


【結論】
★4。
女優に加え母親業もやっていたはずなのに、全く性の臭いを感じません。
チンコは勃ちませんが、ため息はビンビンに出る作品でありました。

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お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!/加納明弘、加納建太


お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!

加納 明弘、加納 建太 他

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【レビュー】
元東大全共闘の父親と、ファンド勤務の息子の対談本です。

全共闘関係の総括本は、何と言うか、言葉が足らない部分があって、どうにも飲み込みにくいものが多かったのですが、本作は、明快な言葉が使われていて、非常に分かりやすかったです。

例えば、なぜゆえ当時の学生が運動に向かったのかについて、今までの本では、セクトの細かな争いの説明に終始したり、逆に「空気感」とか「流れ」とか曖昧な説明しかなされていなかったりするのが多かったわけです。

この点、本作では、当時のベトナム戦争の位置づけであるとか、戦後20年程度しか経っておらず、旧日本軍の記憶がまだ生々しかったことであるとか、ソ連がまだ現実の脅威であったこと等の説明とからめて、運動に進んで行く心境がうまく書かれており、すっと得心が行きました。

その他も、リーマンショック以降の学生と当時の学生との比較なども語られており、過去に埋没せず、平易な言葉で綴られています。
その論旨の明快さは、さすが東大生、と言わざるを得ません。

60年代に興味があれば必読ですし、貴重な対談本だと思います。


【結論】
★4.5。
父親は病気らしく、今も元気かは不明なのですが、続編を出して欲しいです。

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プロフィール

まわりはワナ

Author:まわりはワナ
○手持ちのCDや、新しく手に入れたCD・音源などをレビューしています。
○【曲目】、【レビュー】、【結論】の項目を設けてあります。
○【結論】では、★5を満点に点数をつけています。一応は、「金を出して買うべきか」を基準にしております。
○書籍についても適宜レビューしています。

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