Blue & Lonesome/The Rolling Stones




【曲目】
1. "Just Your Fool"
2. "Commit a Crime"
3. "Blue and Lonesome"
4. "All of Your Love"
5. "I Gotta Go"
6. "Everybody Knows About My Good Thing"
7. "Ride 'Em On Down"
8. "Hate to See You Go"
9. "Hoo Doo Blues"
10. "Little Rain"
11. "Just Like I Treat You"
12. "I Can't Quit You Baby"



【レビュー】
今更、こういう作品について何をレビューするのか、という気はしますが、何はともあれStones の最新作。
村上春樹が新作を出したら世がざわつくし、ダウンタウンが番組を始めればとりあえずニュースになる、のであります。

で、またか、という絶望感に苛まれる、ブルースのカヴァー・アルバム。
70年代あたりに遊びで出すならともかく、70歳を超えた今出すのは、明らかな手駒不足、力の衰え、と言わざるを得ません。

いや、内容は悪くないのです。
老齢にしては声は異様に張ってるし、さすがベテラン、ミックのヴォーカルは特徴的すぎるも、滲み出る渋みもただ事ではありません。

でも、もう、最後のオリジナル・アルバムが2005年の「A Bigger Bang」で、そこから12年。
要は、新作はもう出せない、ということなのですよね。
Paul McCartney も、Neil Young も、内容には賛否あれど新作は出しているわけで、もう、そういう人たちと比べてはいけないのかな、本当の懐メロバンドになったのかな、と寂しい気持ちでいっぱいであります。

さらに問題なのは、上記の「A Bigger Bang」より、本作の方が聴けてしまうこと。
これが非常に残念で、つまり、曲作りも本格的にアウト、ということ。

いち早く、体裁の整ったクロージングを進めてほしいところであります。


【結論】
★1。
本当に、人生の一時期を捧げたバンドなので、これ以上ヘンな感じにはならないで欲しいのです。
本作を「原点回帰」とか言って無条件に持ち上げたメディアも、結構な責任だと思うのですよね。
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genre : 音楽

Peace Trail/Neil Young




【曲目】
1. "Peace Trail"
2. "Can't Stop Workin'"
3. "Indian Givers"
4. "Show Me"
5. "Texas Rangers"
6. "Terrorist Suicide Hang Gliders"
7. "John Oaks"
8. "My Pledge"
9. "Glass Accident"
10. "My New Robot"


【レビュー】
相変わらず躁状態が続いているNeil Young 。
前作から1年半くらいで出された本作。

前作のような明確な敵は設定しておりませんが、個々の内容は相変わらずのNeil節。
原住民からの搾取を描いた3、テロリストというか、我が国の特攻隊を思い出させるような6。
超孤独を唄いつつAmazonを皮肉る10。
10なんて、歌詞の内容は古いというかステレオタイプなのですが、この世界が何なのか、真剣に考えさせれてしまいます。

それでいて、メロディーは、チープながらも相変わらず美しい。

素晴らしい38分です。


【結論】
★4.5。
と思ったら、この間に、ライブ盤も出てました。
手が回ってない、というか、このペースには負けます、ハイ。

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Horses/Patti Smith




【曲目】
 1. Gloria
2. Redondo Beach
3. Birdland
4. Free Money
5. Kimberly
6. Break It Up
7. Land
8. Elegie


【レビュー】
この人のことは気になりだすと気になってしまうので、もう一枚。

言わずと知れたファースト。
もしかしたら、内容よりも、当時のパートナーだったメイプルソープ撮影のジャケの方が有名かもしれません。
やれ顔が怖いだとか、貧乳だとか、そんなハラスメント的言質を一切許さない強烈な眼差しです。

中身は、今でも通用する力強い作品です。
当時はさぞかし衝撃的であったろう、今と変わらぬ地獄のようなヴォーカル、というか、もはや呪詛。
もともとポエトリー・リーディング畑の人なのも納得、声の力がハンパではありません。
音数も少ないので、ダイレクトに耳というか脳に伝わってきます。

2作目以降に比べて若干荒いというか、プロデュース的に詰め切れてない雑な感もあるのですが、それを吹っ飛ばすヴォーカル、ということで、こちらも必聴です。


【結論】
★4.5。
古くなってきてはいるけど、未だに色あせないです。

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Easter/Patti Smith




【曲目】
1. Till Victory
2. Space Monkey
3. Because the Night
4. Ghost Dance
5. Babelogue
6. Rock N Roll Nigger
7. Privilege (Set Me Free)
8. We Three
9. 25th Floor
10. High on Rebellion
11. Easter


【レビュー】
若干趣向を変えて、パンク女王、Patti Smithの3枚目。
挑戦的な脇丸出しは、当然、男性としては萎えるビジュアルなのですが、それはそれとして、時代とPatti のパンク魂を感じさせます。

私は、ジャンルを問わずに女性ソロ・アーチストに食指が動いてしまう傾向があるのですが、そのきっかけの一人がこの方であります。

力強いヴォーカル、時に過激な、時に優しい歌詞、堂々とした佇まい、女性1人で業界に立ち向かっている感など、それはそれはカッコイイアーチストだと思います。
一旦、完全に引退して長年音沙汰がなくなってしまうのですが、何事もなかったかのように復活し、更に力強い作品を出し続けている点も、評価されるべきだと思います。

本作は、彼女のアルバムの中では比較的地味な方かもしれませんが、ヴォーカルの荒々しさと説得力は、むしろ絶頂期ではないかと思います。

特に、3,と6は素晴らしく、それぞれ曲調は違えど、彼女の声にやられてしまうこと間違いありません。
真っ白の彼女が「Nigger」を叫んでも許されるのも、音楽に立ち向かう本気度というか姿勢故でしょう。
必聴、です。


【結論】
文句なし、★5です。
何となく、正座して聴かなければならないような作品です。

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The Truth/Nao Yoshioka




【曲目】
1. JOURNEY (INTRO)
2. BORDERLESS
3. THE TRUTH
4. FREEDOM & SOUND
5. BEAUTIFUL IMPERFECTIONS
6. I LOVE WHEN
7. SET ME FREE
8. SPARK
9. JOURNEY II (OUTRO)



【レビュー】
私は、そもそもが、女性R&Bには弱くて、というか、どうしてもフラフラと近寄って聴いてしまう癖があります。
ソウルな女性が大好物で、特に、太めのソウル・シンガーがグッド(今のアレサは流石に無理)、という、要は性癖であります。

本作は、日本人でありながらNYのアポロ・シアターに立ったとか、全米デビューだとか、色々尾ひれがついていたので、楽しみに手に取ってみた次第です。
細めではありますがビジュアルもなかなかっぽいし。

取ってみたのですが。

確かに、歌は抜群にうまい。
けど、どうにも引っかかりがないというか、癖が感じられないというか。
更に言うと、メロディーが全く覚えられない。
バック・ミュージックで聴き流すための性能はかなり高いんですが、それ止まりで。

キャラが立ってない、ということなんですかねえ。
インタビューを読んでも、優等生っぽくて、匂いが感じられません。

もうちょい、様子見です。



【結論】
★2。
ライブ、見たいなあ。生で聴けば変わる気もします。

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The Final/Wham!




【曲目】
1. Wham Rap! (Enjoy What You Do?)
2. Young Guns (Go For It!)
3. Bad Boys
4. Club Tropicana
5. Wake Me Up Before You Go Go
6. Careless Whisper
7. Freedom
8. Last Christmas (Pudding Mix)
9. Everything She Wants (Remix)
10. I'm Your Man
11. A Different Corner
12. Battlestations
13. Where Did Your Heart Go?
14. The Edge Of Heaven



【レビュー】
で、今度はWham! です。

1971年生まれの自分にとっては、Wham! は、音楽を聴き始めた時期に大ブレイクした、まさにリアルタイムのユニット。
当然、各曲とも、今だに体に染みついていることは否定出来ません。

同時に、当時はそんな言葉は知らなかったですが、セルアウトした、売れ線に走っている、揶揄されるべき存在でもあったわけで、当時、満面の笑顔で「Wham! が好き」という者はそうそういなかったと記憶しております。

しかし30年が経った今、あらためて聴きなおしてみると、やはりそのポップ・センスは尋常ではなく。
日本ではとかく8が代表曲とされがちですが、その他のクオリティもハンパではなく、特に前半は、どこをどう切り取っても燦々とした太陽が目に浮かぶような煌びやかな作品ばかり。

鬱屈して、羨ましくもあり避けたくもあり、でも耳にはどうしても残ってしまって、といった、非常に不安定な聴き方をしていた中学生時代を思い出してしまいます。

まあ、発売した正式アルバムも少ないので、アルバム単位で聴いた方がいいんですが、一応は前述の8がオリジナル・アルバムには未収録なことと、終盤はかなりアーティスティックに変化する兆しがうかがえることから、今回はベスト・アルバムにしました。
いずれにしても、食わず嫌いをしないことが重要です。


【結論】
★4。
繰り返しになりますが、Wham! は8だけではないのです。
個人的なベスト・ソングは10。
8は、当時、国内盤のシングルを持っていたのですが、金が底をついて600円くらいで売ってしまったことがあり、数年後、激烈に後悔したのであります。

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genre : 音楽

Faith/George Michael




【曲目】
1. "Faith"
2. "Father Figure"
3. "I Want Your Sex (Parts I and II)"
4. "One More Try"
5. "Hard Day"
6. "Hand to Mouth"
7. "Look at Your Hands" (writers: Michael, David Austin)
8. "Monkey"
9. "Kissing a Fool"



【レビュー】
さて、新年なのですが、昨年は、実に色々なミュージシャンが逝去しました。

まあ、ミュージシャンといえども年を取るのはしょうがないのですが、最後の最後、12月25日に、大物のGeorge Michael が(12月20日までの物故者の詳細はこちら。)。

何せ、まだ53歳。
死因は心不全とのことですが、詳細は不明。
正直、そこまで追いかけてはいなかったし、熱心とまでは言えないリスナーだったのですが、ソロ作の中で本作だけは狂ったように聴いていたので、なかなかにショックでした。

私は1971年生まれなのですが、おそらく、同世代の洋楽に触れていた人間にとっては、非常に印象深い作品。
MTVというメディアが絶頂期を迎えており、スタイリッシュなMVと相まって、要は、毎日毎日どこかしらで流れていた楽曲がてんこ盛りで、この先も耳に残っていくであろうと思われます。

内容のクオリティもハンパなく、Wham! 時代には分からなかったソウル・フリーク振りも爆発。
1なんぞはソウルの消化っぷりがお見事で、シビれるオープニング、ファンキーなヴォーカルなど文句のつけようがなく、個人的には、生涯のベスト10候補に入る名作。

ともあれ、この先も絶対に残すべき、80年代最高の作品の一つであります。


【結論】
★5。
文句なし。カッコよすぎます。
大仰振りも含め、本作の全てを表している、1のMVを貼っておきます。
合掌。

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genre : 音楽

24K Magic/Bruno Mars




【曲目】
1 24K Magic
2 Chunky
3 Perm
4 That's What I Like
5 Versace On The Floor
6 Straight Up & Down
7 Calling All My Lovelies
8 Finesse
9 Too Good To Say Goodbye



【レビュー】
2016年最後ということで、本年、話題となった作品の一つを。

日本でも大人気、Bruno Mars、3枚目。
私自身は、アルバム単位で聴いてみたのは今回が初めて。

確かに、メロディもしっかりしているし、いい意味で分かりやすい・覚えやすい曲が多く、エンタメとしては良質な感じがします。
他方で、今までよりもアップテンポというか、パリピ感が強まっており、インドア極まりない自分にとっては、いささか鼻につく点も否めません。
5なんぞ、タイトルを見ただけで、ちょいとゲッソリしてしまうのも正直なところ。

自分的には、聞き込みはしないですが、車の中に突っ込んでおくにはベスト、という感じでした。


【結論】
★3。
なお、2の歌詞の詳細についてはこちら
デブ好きな自分としては、この曲については親指を立ててしまいます。
それでは、よいお年を。

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genre : 音楽

We Got It From Here… Thank You 4 Your Service/A Tribe Called Quest




【曲目】
1. The Space Program
2. We The People....
3. Whateva Will Be
4. Solid Wall of Sound
5. Dis Generation
6. Kids...
7. Melatonin
8. Enough!!
9. Mobius
10. Black Spasmodic
11. The Killing Season
12. Lost Somebody
13. Movin Backwards
14. Conrad Tokyo
15. Ego
16. The Donald



【レビュー】
もともと Hiphop が苦手だった話は何度か書いた記憶なのですが、繰り返すと、概略、マッチョな価値観、自意識がどうしても受け入れられなかったわけなのです。

古いところでは、Big Daddy Kane あたりがイメージが近いでしょうか。
今となってはナイスなヒモ・ラッパーとして楽しく向き合えるのですが、体育会に身を置きつつもモロに文化系メンタリティだった自分としては、ちょっと距離を置いていたのです。

そんな中においても、ちょいちょい、グッとくるHiphop 系アーチストもいたわけで、その代表格が、A Tribe Called Quest でした。
微妙に外したリズムの取り方、なんとも言えない心地よいBPM、ダルそうなラップと、マチズモとは対極的な雰囲気で、なかなか好きなグループでした。

そんな彼らの、実に18年ぶりの新作。
と言っても、ほとんどシームレスというか、「あ、新作か」とスッと受け入れられるほどATCQな作風で、良い意味で変わっておらず、実に素晴らしい。

そんな中、アメリカ大統領選などもあって、ポリティカルな色合いも入っているのも目を引きます。
(14の訳詞はこちら)。

本年、後半になって飛び込んできた良作でした。



【結論】
★4.5。
MCのファイフが亡くなったため、ラスト・アルバムとなるらしいですが、いや、もったいない。
この変わらなさ具合、力の抜け具合、ある意味、Hiphop グループの理想的な老成のように思えるので、是非とも新生ATCQを継続してほしいものです。

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genre : 音楽

不死身のタイマーズ/The Timers




【曲目】
1 ヘリコプター
2 夢のかけ橋
3 ゴミ
4 障害者と健常者
5 あこがれの北朝鮮
6 ブツ
7 トルエン
8 お前の股ぐら
9 イツミさん
10 トカレフ(精神異常者)
11 不死身のタイマーズ
12 リプライズ
13 最後の御挨拶



【レビュー】
前に、「復活!! THE TIMERS」をレビューしたときに少し触れたのですが、同作と同時期に発売された、こちらはインディーズ盤。

なぜゆえインディーズ盤か、というのは一目瞭然で、4あたりからは、もう、タイトルだけで完全にアウト。
清志郎、ではなく Zerryでしたが、ともかく、「彼・ここにあり」、と言えるでしょう。

で、中身としては、ちょいと行き過ぎなところも多いわけです。
逸見政孝をモチーフにした9なんかは、はっきり言ってやりすぎ、同人への冒涜と言われても止むを得ない。
医療への皮肉みたいな内容なのですが、ピント外れにも程があり、清志郎信者の私でも、正直引いてしまいます。

前回も触れましたが、Covers騒動以来、清志郎は一種の躁状態になっていて、権力の匂いがするものにはかたっぱしから噛みついていた感があります。
その暴走極まったのが本作で、ちょいとやり過ぎ、ユーモアが無い、といったところも随所に見受けられます。

他方で、5なんかは、個人的にはTimers 屈指の名曲。
個々の曲の完成度にはバラツキがあり、無意味に長かったりもするのですが、まあ、とにかく、エネルギーが爆発して手がつけられなかったということなのでしょう。

まとまりは本当に無いですが、貴重な貴重な作品です。


【結論】
★4.5。
相変わらず高値取引されている作品。
再発、まあ、ほぼほぼ無理でしょうねえ。
なのですが、ファンなら、何とか手に入れて聞いてほしいです。
ヴォーカルの人の、この前後くらいからすっと脂が抜けていった感じも(でも作品は良かったりします。)、なかなかに感慨深いですね。

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genre : 音楽

プロフィール

まわりはワナ

Author:まわりはワナ
○手持ちのCDや、新しく手に入れたCD・音源などをレビューしています。
○【曲目】、【レビュー】、【結論】の項目を設けてあります。
○【結論】では、★5を満点に点数をつけています。一応は、「金を出して買うべきか」を基準にしております。
○書籍についても適宜レビューしています。

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